2013 夏 チェコ/6

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ティーン教会の尖塔

今日もいいお天気!
いつものようにホテルを出て、市民会館前を通って、火薬塔を抜けて、チョコレート屋さんを左手に確認しながら、旧市街広場方面へ。ティーン教会の尖塔が青い空にくっきり!でも今日は、広場までは行かず、ティーン教会の裏路地を北上し、ユダヤ人地区へ。今日の午前中は、このユダヤ人地区にあるシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)を見て回る予定。



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旧新シナゴーグ

ユダヤ人地区は、それほど事前学習をせずに行ったのだけれど、いろんな意味で非常に印象深い場所となりました。撮影禁止の場所がおおかったことと、カメラを向けることが憚られるような神聖な祈りの場の雰囲気を感じたので写真はほとんどないのですが、旅日記なので書き留めておきます。

最初に向かったのはスペインシナゴーグ。ここでシナゴーグ入館共通券購入(シナゴーグは博物館としての機能を持っていて複数見学することが可能)。スペインシナゴーグは外観がスペインのアルハンブラ宮殿に似ている…ということからついた名前ですが、その内装があまりにも壮麗でため息も止まるほどでした。金を主とした壮麗すぎるアラベスク文様、ムーア様式。偶像崇拝の禁止を掲げているだけに、シナゴーグの中はびっちりとアラベスク文様ですべて埋め尽くされていて、本当に目がくらむほどでした。そんな装飾美に見入っていると、年配の男性が話しかけてきました。
最初は無料ガイドのおじさんかと思っていたのですが、どうやら彼も観光客らしい。そして話を聞いているうちに、彼がユダヤ人で、自分たちの祖先の歴史をしっかりと感じるためにプラハに来ているらしいということがわかりました。
「戦時中、ユダヤ人は身に着けているさまざまな貴重品をナチスに奪われて、ここ(シナゴーグに)保管されていたこともあったんだよ。」
「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)のことはしっているかい?」
「本当に大変な時代が現実にあったんだよなぁ。」
そんな話を5分くらいしてくれたでしょうか。ちゃんと英語がわかれば、私ももっと質問し返したり思ったことを言葉にしたりできるのだけれど…なにせ英語力が無きに等しく…。でも、とっても真剣に話してくれて、歴史的な重みを考えるきっかけを作ってくれました。別れ際、
「君はどこの国からきたのかい?」と聞かれ、
「Japan!」と答えると、
「そうか!日本人か!そうか!そうか!」と言って笑顔で別れの挨拶をしてくれました。
昔見たスピルバーグの「シンドラーのリスト」が頭に浮かび、そういえば日本のシンドラーと呼ばれる杉原千畝氏のことも歴史の時間い習ったことも思いだしたり。歴史は決して遠い過去ではなく、今の時間と確実につながっている時間なんだなって思いました。そして、プラハはこの中欧の地で唯一ホロコーストを免れた地だったからこそ、歴史が形となって残されているのだってことを妙に実感して、ユダヤ人地区に来てよかったなって思いました。


さて、スペインシナゴーグのあとは、カフカが成人式を挙げた場所としても有名な旧新シナゴーグへ。でもここは、共通券では入れず!別途購入してもよかったのだけれど、ちょっと混んでて、そしてどこが入り口なのか1周ぐるりと回ってもよくわからなかったので、他のシナゴーグに行ってみることに。





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マイゼルシナゴーグ

ここは1591年に当時の地区行政責任者だった人が、皇帝の許可を得て個人的に建てたシナゴーグ。内部はユダヤ民族の服飾品や書物などが展示されていて、服飾品に施された文様や刺繍を興味深く見ることができました。




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儀式の家

儀式のための建物のようだが、現在ではユダヤ人の伝統や風習、歴史などが子供たちの書いた絵を交えてわかりやすく展示されています。

その後は、ピンカスシナゴーグへ。
ここは16世紀に建てられたシナゴーグですが、戦後はヨーロッパで亡くなったユダヤ人の鎮魂の場となっているようで、建物の内壁には、亡くなった方の名前や生没年などが整然と…びっしりと書き綴られていて、文字だけなのに…文字だけだからこそなのか…言葉にならないほど圧倒されて、胸が締め付けられるような思いがしました。どれほどの人が失意のうちに亡くなっていったんだろう。戦争はほんとうに悲しみだけが強く残るものなんだと思いました。

そしてそのわきには旧ユダヤ人墓地があり、なんだか墓石が地に埋もれるように所狭しと立っています。帰国後、ユダヤ人墓地について調べてみると、ヨーロッパ最古のユダヤ人墓地で、15世紀から350年間ぐらい使われていたのだとか。古代ローマが古い都市の上に新しい都市を築いていったように、この墓地も上へ上へと築くこと…なんと10層以上にもなっているのだとか!中には大木に飲み込まれているような墓石もあり、その歴史の古さを肌で感じました。

ユダヤ人地区の見学はこうして終わったのですが、一つ思ったことは見学者が大勢いる!ということです。カレル橋の渋谷のような賑わいの他は、プラハ市内の観光名所はとりたてて激混みというわけではなかったのですが、ここユダヤ人地区はカレル橋の次位に大勢の人がいました。もちろん、カレル橋のように物見遊山な軽い雰囲気ではなく、ユダヤの人もそうでない人も、人間の歴史としっかり向き合うために見学しているようで、そういう姿勢も大変勉強になったと思います。ユダヤ人地区、本当に訪れてよかったです。



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トゥルデルニーク屋さん

ユダヤ人地区を後にし、旧市街広場まで戻ってきました。そこで、ちょっと素敵な男子を発見し!(笑)




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ハヴェル市場

そういえば、そろそろお土産も買わなくっちゃねーと、市場でお土産さがし。でも、何度見てもやっぱりお土産になるようなものはあまりなく、私も友達も、プラハの写真がパッケージに印刷されているチョコを購入。





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マリオネット

市場でたくさん売っていたのが、こちらのマリオネット。プラハはマリオネットも有名みたいだけれど、これはちょっとお土産にはならないよね?もらっても困るよね?
手を叩いて音を出すと、けたたましい叫び声とともに踊りだすんです、このマリオネット(笑)





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手ごろなお土産を買い終えたら、一度荷物を置きにホテルへ。私たちの滞在したホテル「アールデコ・インペリアル」の1階はモザイクの美しいカフェ・インペリアルがあり、日中でもお客さんで賑わっています。でも私たちは毎日朝食ビュッフェで出入りしているので朝以外は利用せず、今日のお昼も違う場所で。




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違う場所…と言っても、近くの大型ストア「パラディウム」の上にある飲食店街のお店に。今日はチェコ料理のお店に入りました。ビアホールのようなその広いお店は、日中はとっても空いていて美味しいのかちょっと不安だったけれど、結果的にとっても美味しい…そして接客上手ないいお店でした^^




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LOBKOWICZ(ロボコヴィッツ)

もちろんまずはPivoを注文。500mlも小さく感じるチェコって最高!



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鶏肉のグリル

焼いた鶏肉にバルサミコソース。そしてスライスきゅうり。シンプルなんだけれど、旅先ではこういう手のあまりかかっていないものが妙に美味しかったりします。




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グリル野菜

焼いて塩胡椒!って感じの実にシンプルなお料理。友達曰く、「この旅で一番美味しいと思ったかも!」ですって(笑)野菜だけで十分美味しい感覚、うんうん、あるよねーー。




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Bramborak(ブランボラーク)

なんだかよくわからない写真になっていますが、チェコ料理の定番ポテトのパンケーキです。ここのは薄焼きで表面がカリッとしていて、地味な見た目に反してとっても美味しかったです!付け合せにたっぷりのザワークラウトがついていて、あんまり得意じゃないはずだったのに、チェコ料理と一緒に食べるとこれまた美味しい。ブランボラークは家でも作ってみたいな^^



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Pivoをおかわりしながらの昼食。野菜もたっぷり摂れて、ウェイターも気のいい人だったからとってもいい昼食時間だったんですけれど…。ここで私たちのこの旅1番の大失敗が!

お会計の時、チェコはチップのある社会。チップは普通は数%分や小銭なんかを置いていけばいいのだけれど、旅行本には「お会計時に含まれている場合もあるので、その場合は払わなくてもいい」って(当たり前なんだけれど)書いてありました。そしていよいよお会計の時。ウェイターがレシートを持ってきて、そのレシートのところにちょっと大きい印字で「included」の文字が。だからてっきり「ここはチップをあらかじめ含んでいるお店なんだー」と思って、日本人の几帳面さも手伝ってきっちりおつりなく支払いをしたの。でも、なんだか気のいいウェイターが「◎▽*◆…!」とちょっと訴えかけるように言ってくる。私たちは、「あら、少額のチップにそこまでお礼をいわなくってもいいのよ~」くらいに思っていたんだけれど、それにしても店を出るまで幾度となく「◎▽*◆…!」と言ってくる。

……その後、よくよく思い返してみると「 not included 」って書いてあったかも!と気がついた私たち。あー、あのレシートは…あのウェイターさんは「この金額にはチップは含まれていません」ってことをアピールしていたんだ!ということに気がつきハッとするも…後の祭り。あんなに一生懸命私たちにサービスしてくれたウェイターさんに大変申し訳ないことをした!と、その後何度となく思い出してはいたたまれぬ気持ちになったのでした。チップって本当にムズカシイ!



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市民会館前広場

さて、私たちがチップ1つもうまく渡せないやるせなさに嘆きつつパラディウムを出て市民会館前まで来てみると、シャボン玉を作って子供たちを楽しませているお兄さんが。




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チェコにもいろんな大道芸人さんがいて、滞在中いろんな人をみました。人形のようにピクリとも動かない人。バイオリン弾きの人。ピアノの人。今風のギターの人。宙に浮いたマジシャンの人。グラスハープの人。皆さんなかなかにお上手で引きつけられます。




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壁の中の聖マルティン教会

「壁の中の…」は13世紀に旧市街を囲む城壁に取り込まれたことに由来。プラハ最古の教会建築とのことでしたが、2回行って、2回ともcloseで残念!



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ベツレヘム礼拝堂

その昔、プロテスタントの先駆者でもるヤン・フスが説教したことでも有名な、チェコの宗教改革の中枢といってよい場所。19世紀には一度取り壊され、その後は住宅が建てられたりもしたのだけれど、1948年に以前の建物の欠片をつなぎ合わせ、資料を基にしながら再建を図り、現在は国立文化遺産として保存されているそうです。



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建物自体は再建されたもので、がらんどうで目だった「見どころ」はないのだけれど、日本語の解説書を読みながら壁や天井を眺めると、歴史的な価値を感じ取ることができました。

ゆるりとした市内散策のあと、私たちは午前中に訪れたスペインシナゴーグへ。今日の夜も、私たちは教会コンサートのチケットを買っておいたんです。もう、プラハの夜はずっとコンサートを聴いていたいという衝動にかられ続けていました。




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スペインシナゴーグ

天井にはダビデの星。壮麗な文様の一端が、これで少しおわかりになるかしら?




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プラハ交響楽団のメンバーで構成された五重奏団

プラハのコンサートは今回で3回目なのだけれど、ここでは五重奏団に女性歌手も加わって、半分近くは歌曲でした。音楽に造詣の深い友達の旅日記には「今回の旅では3回コンサートに行ったけど、順番的にも曲目的にも場所的にも、この流れが1番良かったと思う。今日のに関しては、歌声と音色がこんなに合致したものを今まで聴いたことがないと思う。アンコールの曲は、5人のおっちゃん達(弦楽五重奏)と歌姫(かっけーおばちゃん)のからみ?が笑えて楽しかった。ブラボー!!」とあり、本当に本当にいいコンサートでした!

思い返せば1回目のスメタナホールでは、プラハにゆかりのあるモーツアルトとドヴォルザークという作曲家に絞っての、コンサートホールでの正統な演奏を満喫。
2回目の鏡の中の礼拝堂では、神にささげる壮麗な礼拝堂にかなったクラシックの名曲に陶酔。
そして3回目のここでは、ボレロや(マドンナ主演の映画で話題となった)エビータ、そして耳に残るリズムのイスラエル民謡など、人の心をギュッとつかむようなリズムと歌詞、そしてステージパフォーマンスを堪能!

友達の言うように、3つのコンサートをこの順番で鑑賞できたことにしばらく興奮しておりました。本当に、私たちにとっては奇跡のような音楽鑑賞の夕べだったんです。


曲目

G.Eossini/Barber of Seville Overture
G.Verdi/Nabucco-Va pensiero
Maurice Ravel/Bolero
F.Loewe/My Fair Lady
A.L.Weber/Evita-Don't cry for me Argentina
G.Gershwin/Porgy and Bess
L.Bernstein/Candide-ouverture
G.Gershwin/Sumertime
A.Piazolla/Libertango
A.G.Villoldo/EL Choclo
Hevenu Shalom Alechem
As der rebbe Elimejlech
Lach Jerusalaim
Hava Nagila


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第一ヴァイオリンの方は楽譜なんか見ずに終始ノリにのった感じでご機嫌な演奏態度。女性歌手の声は正統オペラから歌謡曲、民謡までそれはそれは器用に歌いこなし、その声ののびやかなことといったら!非常に熱気を帯びたいい演奏会だったので、後半のイスラエル民謡のときなんかは隣の席のおじさんや、後ろの席のおばさんなど、一緒になって口ずさむ人もずいぶんいました。それはやっぱりユダヤの教えのシナゴーグですから、イスラエルにゆかりのある人々もあの場にはたくさん来ていて、自分のルーツを感じさせるような歌に感極まって一緒に口ずさまずにはいられなかったんだと思います。

ヘヴェヌ・シャローム・アレヘム♪ヘヴェヌ・シャローム・アレヘム♪
(結構陽気に早いテンポで歌い上げていたのだけれど、帰国後に歌詞を調べてみると「あなたがたに平和が訪れますように」という意味のようです。)
コンサートの帰りに、私たち日本人だったら、「ふるさと」なんかを異国で聴いたら同じように感極まったりするだろうねって話になりました。

そしてもう一つ感動的だったのは、総立ちの観客にこたえてアンコールをしてくれたこと。その曲が歌曲カルメンの「ハバネラ」で、女性歌手は小悪魔的な目線で歌い、そして第一ヴァイオリンの人の坊主頭を小粋に撫でてみたり、チェロ奏者を挑発してみたり…と、そのステージパフォーマンスも圧巻で、観客からの拍手はものすごかったです。

プラハの夜はここに極まれり!です^^



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海鮮やきそば

そしてプラハ最後の夜ご飯は、チェコ料理ではなく中華で(笑)
現地の日本人にも人気のコチラのお店はとっても美味しい中華料理でした。




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麻婆豆腐

麻婆豆腐の豆腐は、ちゃんと豆腐かな?とちょっと心配したけれど、ヨーロッパのど真ん中で滑らかな絹ごし豆腐に出会えて嬉しい驚き。あとは、青菜炒めを注文したり、Pivoも飲んで、コンサートの余韻を引きずりつつのゆったりとした夜ご飯となりました。



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市民会館のライトアップ

毎朝毎夕、その前を通ってはもう見慣れた感のある市民会館も、今日が最後の夜となるとものすごく名残惜しく感じてくる。
いよいよ明日、帰国の途につきます。

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